パーム油(パームゆ、英: Palm oil)は、アブラヤシの果実から得られる植物油の一つ。通常はギニアアブラヤシから得られるものである。食用油とするほか、マーガリン、ショートニング、石鹸の原料として利用されている。近年では、バイオディーゼル燃料としての利用も進められている。2007年現在、世界で最も生産されている植物油である。
なお、同じアブラヤシから得られるものとしてパーム核油があるが、パーム油が果肉から得られるのに対し、パーム核油は種子から得られるものである。組成が異なるため、性質も異なるので、混同しないよう注意が必要である。
オレンジ色をした常温で固体の油脂で、独特の芳香と甘味を持つ。主な成分はパルミチン酸、オレイン酸、リノール酸で、その他ステアリン酸、ミリスチン酸が含まれている。植物油では珍しく常温で固体だが、これは飽和脂肪酸であるパルミチン酸を多く含むためで、組成全体としては牛脂に近い。
パーム油のオレンジ色はβ-カロテンに由来し、未精製のパーム油にはβ-カロテンが豊富に含まれるが、精製段階で失われ、色が白色になる。ただし、食用パーム油として製造されるものはβ-カロテンを残すようにすることが多い。これを特にレッド・パーム油と呼ぶことがある。
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食用油 [編集]
日本ではあまりなじみのない食材であるが、熱帯・亜熱帯地方では広く料理に使われる。特に、アブラヤシの原産地である西アフリカの森林地帯では、料理に色と独特の風味を与えるために古くから食文化体系の中で不可欠とされる食材であり、アフリカの食文化を奴隷貿易を通して受容したブラジルではアゼイテ・デ・デンデと呼ばれ、北部と北東部の料理には欠かせないものとされている。その他、タイ料理など東南アジアの料理などで使われる。
加工食品では揚げ物や水素化したショートニングの代用として使われる。
洗剤のコピーに対する批判 [編集]
アブラヤシの栽培は、プランテーションにおける労働者の酷使や環境破壊などで批判を受けることが多く、製品のパーム油についても累が及ぶことがある。かつて日本の洗剤メーカーが、パーム油を原料とする洗剤を「自然(環境)に優しい…」というコピーを使い販売したところ、誤解を与えるとの批判が寄せられ、撤回に至った例が複数存在する